> ヨーロッパ2011目次 > 詳細内容
東アジア
中国
ヨーロッパ
スペイン
フランス
イタリア
オーストリア
ドイツ
アメリカ大陸
エクアドル
メキシコ
チリ
アルゼンチン
ヨーロッパ2
スペイン
ポルトガル
ヨーロッパ3
クロアチア
ドイツ
東南アジア
タイ
マレーシア
ラオス
アメリカ大陸2
メキシコ
ドミニカ共和国
ヨーロッパ2010
フランス
イタリア
アジア2010
タイ
マレーシア
アジア2011
タイ
北米・カリブ海2011
メキシコ
キューバ
ヨーロッパ2011
フランス
イギリス
フランス2
2011.07.21
カーフェリーでドーバー海峡を渡ってイギリスへ入国
イギリス:イーストボーン

 今回の夏のヨーロッパ「ドライブ&キャンプの旅」は「フランスを巡る旅」を予定をしていてイギリスに渡る事など露ほども考えていなかった。

 ところが、メキシコからヨーロッパに飛ぶ飛行機の手配もとっくに済ませ、さぁ、そろそろフランスの予定でも立てるかと本腰を入れて計画を立てようとした時に、はたと気付いたのだった。

 「シェンゲン条約、超えてる・・・」

 ご存知かと思うが、私たちのように旅行目的でEU圏に入国する場合、EU圏内の合計滞在日数が90日を超えてはならないというシェンゲン条約がある。

 シェンゲン条約の滞在日数規定では最初にEU圏内に入国した日から起算して6ヵ月以内に90日間の滞在を許可し、6ヵ月を過ぎると再びシェンゲン条約の期間が始まるので新たに90日間滞在できる。私達の場合は2月に一回EU圏内入りしてシェンゲン期間を開始し、5日でヨーロッパを出る。すると、あと85日は滞在出来る勘定になる。2月から始まったシェンゲン期間6ヵ月の最後にこの85日を過せば、引き続き8月から新たなシェンゲン期間が開始するので続けて更に90日間滞在できるという事を考えていた。

 ところが、メキシコからヨーロッパへの安い便を探すうちに、すっかりシェンゲンの日付けの事を忘れてしまって予定よりも早くヨーロッパに入る事になってしまったのだった。

 これでは2月に始めたシェンゲン枠内での滞在期間が90日間をオーバーしてしまう。この問題を解決するには、シェンゲン条約の規定に入らない国で新たなシェンゲン期間が始まるのを待たなきゃならなくなったのだ。フランスから車で移動が可能なシェンゲン規定に当てはまらない国はスイスかイギリスだった。旅程から考えてイギリス旅行をするのが一番スムーズな解決方法だという結論になり、急遽、イギリスに渡ることになったのだった。

 フランスからイギリスへは数か所から船が出ているが、最も距離が短いのがフランスのカレーからイギリスのドーバーまでのドーバー海峡を渡る船である。インターネットで事前にチケットを買うのが安いようだったのだが、よく様子がわからなかったのでフェリーに乗る港でチケットも買う事になった。

 カーフェリーで海を渡るのは昨年イタリアで経験していたので大方の予測はついたが、今回は国もまたがっているのでパスポートコントロールがある。どこでどうなっているのだろうか?

 出発地のアミアンから50分ほど走ってカレーの港に到着すると「パス・コントロール」と英語とフランス語で書かれたゲートに車ごと進むようになっていた。まるで高速道路の料金所のようなパスコントロールだ。

 こうして車に乗ったまままずフランス側でパスポートを見せて出国し、続いてイギリス側でパスポートを見せて入国という手続きを行う。もちろん出国側は問題なく通過。イギリスは不正就労阻止の目的から常に入国に関しては厳しい態度を取るものだが、今回は色々な質問をされたもののすんなり入国が許可された。レンタカーで入るのでいずれはフランスに戻る事が明白だったためだと思われた。

  因みに、パスコントロールは時間がかかるので渋滞となる。そこに「おねだり」カモメが現れてお菓子やパンをねだっていた。子供たちのいる車にとってはかっこうの暇つぶしとなり、お互いにウィンウィンの関係のようだった。

 ちょっと不思議な流れだがカーフェリーのチケットは、このイギリスへの入国手続き終了後となる。フェリーチケットを買えるお金がない人はここで強制送還になるのだろうか?そんなバカな人はいないから、イギリス入国後にチケット販売になっているのだろうが、そんな所であらためて先進国の人ってちゃんとしているなぁと見直してしまうのだった。

 イギリスに渡る片道カーフェリー料金は片道なら130ユーロ、往復なら210ユーロだった。数社あるような中から勝手に選んだこの会社がどんな頻度で船を出しているのか、あるいは他にもっと安い船の選択肢があるのかどうかもわからなかったので片道だけ買うことにしたが、結局、この会社は頻繁に船を出していて往復で買うのがとても安かったのだった。あーあ、調査不足で損した。

 フェリーチケットにはNエリアの63番ラインと書かれているので、その通りの場所に進んで63と書かれた数字の列について待っていると、やがて係員が誘導してあっちに走れとかあっちに行けと指示してくる。

 仰る通りの道を走っていくとスロープを走り上がる。実はこれがフェリーに入る入口であれよあれよという間にフェリー内に移動されているのだった。とてもスムーズに手続きも入船も済んでしまって、あっけないくらいだった。

 すれ違った同じ船を撮影。こんな風に8階建くらいのかなりの豪華客船で、内部にはレストランとスナックバー、ゲームセンター、ちょっとした免税品ショップ、椅子とテーブルの席、ソファーの席などがありたった1時間20分の旅だがなかなか楽しめる。

 ただし免税品で売られているワインもスコッチもチョコレートもフランス国内のスーパーカルフールの値段より高く、どのレストランの食事もお高いので見て楽しむだけに留めていた。お昼ご飯はお弁当を作ってきていたのでラウンジで昼食しているうちに、あっけなくドーバーに到着したのだった。

 到着の様子を眺めていると、アナウンスがあって車に戻るように言われたので階下の車へと戻った。

 既に入国手続きも終了しているし、あとは係員の誘導に従って船を降りて目的地に向かって走るだけだ。

 ここで1つドキドキしたのは、フランスの左ハンドルの車で日本と同じ左車線を走るイギリスにやってきたことだ。これは初めての経験だったので、最初はとまどったものの、イギリスという国は日本と同じく島国なためか高速道路とはいえ、クネクネとカーブが多くてそんなにスピードが出せない。それが幸いしてゆっくり走るうちにだんだんと慣れてきたのだった。

 というわけで、非常に気軽にドーバー海峡は渡れる事がわかったが、次回もしまた渡る機会があったら、今度の課題は「もっと安くチケットを買えないのか?」ということだ。


 
Copyright (C) 2008 World Mover All rights reserved