|
2008.06.27
13億人のパワー、メトロポリタン上海
上海に到着して3日目。バケツをひっくり返したような大雨が降っている。
上海は相変わらず人が多い。昨日は上海駅にチケットを買いに行ったのだが、人とぶつからずに歩くのが難しいくらいに人、人、人。ぶつからないのが難しいので皆避けることなくぶつかり合って歩くことになる。そしてあまりに頻繁にぶつかるので、誰も謝らないし気に留めないという世界になっている。駅のチケット売り場で立ち止まってメモを取ろうとしたら、人がぶつかってきて65と書こうとした5の文字が長く長く伸びてしまった。やれやれ。
チケットを買ったら、「小吃街」のある呉江路へ。地下鉄2号線の南京東駅下車して駅裏手の小道だ。ここは焼き小龍包で有名な「小揚煎館」や焼き餃子で有名な「盛記一品鍋貼」のある場所。12時前とあって、おいしい店には列ができている。別の店で買った物を頬張りながら次の店に並ぶツワモノもいる。ここの食べ歩きは本当に楽しい。焼き餃子屋に並んでいると割り込みしようとする婆がいて早くも対決。もちろん私が勝ったが、婆は店に入ってからもいつまでも私をにらんでいる。いや、割り込みしようとしたのはあなただから。
中国の人口13億人というけれど、文字で見て耳で聞いても実感できるものではないが、上海駅や呉江路に行くとよーくわかる。こういうパワーなんだな、13億人って。
さて、宿泊している宿はバンドと呼ばれる川沿いに近い場所。ドミトリーで一泊一人1000円くらいするので、中国の他の地域の倍くらいする。部屋は韓国人、中国人、ボーランド人、アメリカ人と玉石混交。
滞在中、一番目を引いたのは別の部屋に宿泊しているタイのオカマちゃん。だって、ものすごーく胸が大きくてきれいだし、足も細くて長いし、女子トイレに入ってくるし。さっき、ついに名前を聞かれてお互いに自己紹介。ミッシェルだって。因みに同じ場にいた中国人女性はアマンダ。かぁぁぁー、皆、そんな名前のわけないでしょうが。私もキャサリンとか言うべきだった。
同じ部屋になった中国人の女性は生まれも育ちも北京だそうだ。彼女の今の関心事は、新しく付き合うことになったフランス人
コンピュータ・エンジニアのサラリー。33歳の彼女はもちろん結婚を視野に入れて彼と付き合っている。以前プログラマーだった私の給与を教えると、考えていたよりも少ないと不満の声をもらした。そこで、彼がエンジニアならシステム・エンジニアとしてもっと稼いでいるに違いないというと「そうかしら」と気分を持ち直していた。
その後も、うちの旦那がいくら稼いでいるのか、自分の洋服を買う時は自分で払うのか、旦那が払うのかとお金の話が多い。それでも、話の目的が彼のサラリーチェックのヒントになることと、先進国での夫婦のお金の使い方だろうと、彼女の話の目的がとても素直に見えるのであまり嫌な感じがしなかった。
以前、上海でお世話になった女性は同い年くらいなのだが、ロンドンに半年語学留学していたこともあり、ヨーロッパ社会のマナーを身につけていたせいか全くそういう話が出なかった。同じ中国人とはいえ人によって大分違う。今回の北京の彼女はむき出しの中国人という感じがした。邱永漢氏の「中国人と日本人」を読んでいるのだが、氏はその中で「中国人はIQが高い」「お金の話をすることが悪いことではないと思っている」「相手を褒めるのは自分も褒めてもらいたいから」などと記述しているのだが、彼女があまりにその特性に当てはまるので、私としては面白くてたまらなかった。
「歴史の事があるので日本人は嫌いだ」と私に言う彼女だったが、私の手帳に漢字が書かれているのを見て「あなた、漢字が書けるの?」と驚いた。いやいや、あなたの国から輸入したものですからというと、とても誇らしげで嬉しそうにニッコリした。もう少し話したら、彼女の日本嫌いも変わったかもしれなかったが、彼女は今朝フランス人の彼氏の元へ去っていってしまった。
雨はまだ降り続いている。明日は広州に向けて出発。明日の朝までに止んでほしいなぁ。
|